伝えたはずなのに伝わっていないトラブルの解決方法 Part.1/3
今回は柿内尚文(かきうちたかふみ)さんが書かれた『バナナの魅力を100文字で伝えてください』について解説したいと思います。
この本は『地味だけだと一生役立つ「伝わる技術」』について書かれた本です。
皆さんは日常で、伝えたはずなのに全く違う内容で伝わっていた、という経験はないでしょうか?
ちゃんと伝えたのに…何回も言ったのに…と思うこともあるかと思います。
実はそれは、自分は「伝えた」けど、相手に「伝わっていない」のが原因です。
「伝える」と「伝わる」は似ていますが、意味が違ってきます。
今回は『伝わる技術』を中心に本書の魅力を解説していきます。
それでは、よろしくお願い致します。
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①「伝わる」と「伝える」の違い
まず初めに「伝わる」と「伝える」の違いについて説明致します。
この2つの違いは何をメインとしているかです。
・「伝わる」は相手主体
・「伝える」は自分主体
たとえば、仕事の内容を相手に「伝えた」が、相手が理解しておらず「伝わっていなかった」と言われると、イメージがつかみやすいかと思います。
「伝わらないものは、存在していないことと同じ。」
だからこそ、伝えたいことをちゃんと伝える必要があります。
そこで押さえておきたいのが、次の3つです。
- 人は伝えてもらわないと分からない。
- うまく伝えないと分からない。伝え方には技術がある。
- 態度+表情も伝わる為の要素。
基本的な事かもしれませんが、人は「ちゃんと伝えないとわからない」生き物なのです。
②「伝わる」構造について理解する
次に「伝わる」構造について解説致します。
何かを身につけるとき、まずは構造を知ることで全体像や本質を理解することができます。
例として、本書は次の構造を順番に学べるようになっています。
- 1:「伝わる」構造の理解
- 2:「伝わる」技術の習得
- 3:実践(行動に移す、実際に使ってみる)
- 4:使ってみて足りない部分や分からない部分があれば、構造の理解または技術の習得に戻り、再度実践する。
理解し、習得したら、実戦で使います。
使ってみてどうだったか、効果の有無だけでなく、自分にとって使いやすかったかどうかも、確認が必要です。
確認し、理解できていない部分が見えてくることもあります。
なので上記の1~4は繰り返すことがポイントとなります。
続いて、今回の項目である「構造の理解」について触れていきます。
本書では「伝わる構造」は7階建てのビルであると表現しています。
- 7階:信頼感・・・相手から見て自分は頼れるか。
- 6階:親近感・・・相手から見て自分は親しいか。
- 5階:聞く力・・・相手の話を聞く。
- 4階:見える化・・・相手に分かりやすいか。
- 3階:相手ベース・・・相手本位か。
- 2階:納得感・・・相手に納得してもらえるか。
- 1階:ゴール設定・・・相手に何を伝えたいのか。順番に見ていきましょう。
1階:ゴール設定
- ビルという表現をしているので、1階はとても重要な階になります。
- 1階が不確かでグラついていたり、はっきり定まっていないと、上の階がしっかりしていても、ビルが崩れてしまいます。(話は充実していたけど、相手に内容は伝わっていない)
- まず初めにゴールを設定することで、伝わるか否かが決まると言っても過言ではありません。
2階:納得感
- 次に2階です。1階で設定したゴールを達成するには、相手に納得してもらう必要があります。
- 「話は聞いたけど、よく分からなかった」これでは、相手の納得感が得られず、話が伝わったとは言えません。
3階:相手ベース
- 相手ベースで伝える、これは2階の納得感と重複する部分があります。
- 伝えたいことをひたすら言っても、相手が理解できていなければ、伝わったことにはなりません。
- 相手ベースで考えている人は、うまく伝わらなかった場合に「表現を変えたり」・「ほかの方法を試す」など、相手に理解してもらえるようアプローチを行います。
4階:見える化
- 2・3階を経て、「伝わる」ということは、相手ベースで納得感を得てもらうことだと説明しました。
- 納得感を得てもらうためには、相手の頭の中に見える化させることがポイントになってきます。
- たとえば、テレビに出ている上手なグルメリポーターを思い浮かべてください。カレーを一口食べて、特徴とおいしさのポイントを見ている私たちがイメージできる言葉で伝えてくれます。
- 逆に下手なグルメリポーターだと、私たちは頭の中でカレーのおいしさがイメージできず、どんなカレーなのか伝わってこない可能性があります。
- 皆さんの周りで話が分かりやすい方がいたら、それは「見える化の達人」です。
5階:聞く力
- ビジネス書を読んだことがある方は、次の言葉を聞いたことがあるかもしれません。「テイクより先にギブしろ」欲しければ先に与えろという意味ですが、これは「聞く力」も同じです。
- 相手の話をよく聞く、これは意外と難しい部分です。相手の話を遮るのはNGです。
- 話をよく聞くことで、相手はこちらに何を伝えたいのか見つけ出す力、それが「聞く力」です。
6階:親近感
- 伝えたい相手と親しいかどうかも、伝わり方に大きな影響を与えます。
- たとえば、嫌いな人・苦手な人と話をするとき、相手が正しいことを言っていても、素直にイエスと言えない場面があるかと思います。
- これと同じで、相手が自分のことを嫌っていたり、初対面でお互い何も知らない状態だと、親近感が湧かず伝わることを妨げてしまいます。
- では、親近感を湧かせるにはどうすればよいか。4つのコツがあります。
- 1:共通点を見つける。 2:相手に興味を示す。 3:自分のダメをさらけ出す。 4:笑顔
- そして最も大切なことは、「相手の話を聞いてあげること」です。
- 話をしていて「楽しい!」と感じるのは、自分がよくしゃべり相手がよく聞いてくれているときです。
- 相手の話を聞き、距離を縮めることができれば、親近感が生まれ相手もあなたの話を聞いてみようと思うようになります。※5階で学んだ「テイクより先にギブしろ」がここでも活きてきます!
7階:信頼感
- 信頼感は一朝一夕では手に入りません。日々積み上げることで得られるものです。
- ですが、場合によってはその場で信頼感を得ないといけない場面があります。仕事でお客様に商品をおススメするときや、初めて会う取引先との商談などです。
- そんな時はどうすれば、信頼感を得ることができるのか?これは本章の最初にヒントが隠されています。
- 「構造を知ることで全体像や本質を理解することができます。」では、信頼感の構造とは何か?それは以下の7つに分類されます。
- 《自分側》1:誠実さ・素直さ 2:スキル・能力 3:結果・成果 4:接触頻度 5:モラル
- 《相手側》6:関心 7:意義・価値・動機
- 人により構成されるものが違っていたり、抜けているものがあったりするかもしれませんが、ほかの要素で補えていれば信頼感は生まれます。
今回のまとめ
- 「伝わる」と「伝える」は違う。
- 人はちゃんと伝えないと、伝わらない生き物。
- うまく伝えるためにはどうすればよいか?
- ⇒伝わる構造について理解する。
- ⇒伝わる技術を習得する。
- ⇒実践(行動)に移す。
- 伝わる構造は7階建てのビルになっていて、ゴール設定(何を伝えたいか)がベースになっている。
今回は「伝わる」と「伝える」の「概要」・「伝わる構造の理解」について解説させていただきました。
次回は「伝わる技術の習得」について解説していきたいと考えています。
「伝わる技術の習得」では「地味だけど、一生役立つ」そんな技術を紹介していきます。
もし身につけることができれば、仕事・プライベート両方に活用できるので、皆さんの人生にとってプラスになれれば幸いです。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回でお会いしましょう。
さようなら~
次回:伝えたはずなのに伝わっていないトラブルの解決方法 Part.2/3
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