伝えたはずなのに伝わっていないトラブルの解決方法 Part.3/3
今回も柿内尚文(かきうちたかふみ)さんが書かれた『バナナの魅力を100文字で伝えてください』について解説していきます。
この本は『地味だけど一生役立つ「伝わる技術」』について書かれた本です。
内容がとても充実している為、3回に渡った書評レビューも今回で最後となります。
前回:伝えたはずなのに伝わっていないトラブルの解決方法 Part.2/3
『伝わる構造の理解』・『伝わる技術の習得』を経て、今回は
- 『伝わる人が実践している4つの行動』
- 『伝えるのが面倒な人への対応策』
上記2つについて解説していきたいと思います。
どうぞ、最後までお付き合いいただけると幸いです。
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④伝わる人が実践している4つの行動
伝わる構造を理解し、伝わる技術を習得した人は、実際に使ってみることで、相手にちゃんと伝わっているか効果を確かめます。
ここでは、伝わる人が実践している4つの行動を見てみましょう。
1:伝え上手な人は無駄な努力をしない
- 結論から書きます。相手に何かを伝えたい時は『相手に分かってもらうことは難しい』という前提から話を始めることが重要です。
- そもそも人は、他人のことが全く分かりません。どんなに親しい人でも、家族でも、職場でも、伝えたいことが100%届くことはありません。
- では、『伝わる技術』を身につけても無駄なのかというと、そうではありません。
- 脳科学者の西剛志さんはこう言っています。「コミュニケーションスキルが高い人は『自分の脳と相手の脳が見ている世界が違うということをしっかりと認識している』」
- これまでさんざん『伝わる』ことについて解説してきましたが、これが真実なのです。
- 100人いれば100通りの伝わり方があり、生まれ育った環境や経験で変わってきます。
2.「伝わる人」は「やさしさ」を武器にしている
- 自分のことばかり考えて、言いたいことを言うだけでは相手に言葉が響いてきません。
- 大切なのは相手のことを考えて、どうすれば伝わるか一生懸命伝えようとすることです。
- やさしさを意識することの重要性はほかにもあります。
- たとえば、相手に伝えようとする時になかなか伝わらずイライラしたことがあると思います。
- このイライラは相手にも伝わります。伝えたい内容は伝わらないのに、イライラはすぐ伝わってしまう。そして、伝わる妨げになってしまうのです。
- だからこそ、なかなか伝わらない時はやさしさを持って、一生懸命伝わるように話すということを忘れてはいけません。
3.「怒る」と「不機嫌」は伝わらないを生む
- これは自分が職場で経験した事なのですが、自分が仕事でミスをしてしまい上司に報告した際にすごく怒られたことがあります。ミスをしたのは自分なので怒られるのは当然ですが、ものすごく怒られてただ怖かったという印象が強く残りました。その後、再発防止の為に説教やアドバイスをいただいても、頭には怒られた事の方が強く残ってしまい、せっかくのアドバイスを生かせず、また怒られるという悪循環にハマっていた時期があります。
- 「怒る」「不機嫌」「怖い」そんな状態は「伝わる」の大敵なのです。
- 「部下の成長を思い、語気が強くなることもあるけど、ちゃんと教えているのにミスばかりするんだ・・・」そう思う管理職の方も多いと思いますが、まずは1歩立ち止まって一度冷静になってから話を切り出すと良いかもしれません。
- 怒りの効果的な対処法として、『イラっときたら3秒深呼吸』をしてみると、すごく効果があるのでおススメ致します。
4.「言わなくてもわかっているはず」が引き起こす悲劇
- おそらく全ての人が経験したことがある内容だと思います。自分も子供の頃、親友に「そんなん言わなくてもわかるでしょ!」と言ったことがあり、今でも記憶に残っています。
- 子供の頃だと、それが原因でケンカしても仲直りできますが、大人になって職場や家庭でこれを言うと、大きなトラブルに繋がります。
- 「言わなくてもわかっているはず」「このことは共有できているはず」そう心の中で思ったら、少し手間でも必ず伝えるようにすることで、トラブルを事前に回避できます。
- トラブルの多くは、伝えていないから始まります。
⑤「伝えるのが面倒な人」への対応策
生きていく上でどうしても避けられない、「伝えるのが面倒な人」って周りに必ずいると思います。
そんな人たちにはどう対応すれば、うまくいくのかを見ていきましょう。
1.すぐ否定する人への対応策
- 代案があるわけではないのに何でも否定的な方っていませんか?否定ばかりする人は、意識して否定しているわけではなく、無意識のうちに否定していることが多いそうです。
- 何故何でも否定するのか?これは否定することで相手を下げ、自分を高める自己肯定の行為だと言われています。
- マウントを取ることで、相手より優位なポジションをとる、負けたくないというコンプレックスからくるものです。
- そんな人への対応策は『話を広いところへもっていくこと』です。否定ばかりする人の多くは、好みや思い込みをベースにした部分否定がほとんどです。
- 部分否定が始まったときは、話題をゴールの確認へもっていきましょう。部分否定とゴールはどう関係してくるかを広い視野で見ながら会話することが大切です。
- また、仕事ならホワイトボードを活用することもオススメです。会議の場ならホワイトボードの真ん中にゴールを書き、その周りにゴールにつなげる為のみんなの意見を書き込んでいきます。この時、否定ばかりする人の意見も書き込むことで、ゴールに向いていないことも見える化できます。
2.「話が通じない人」への対応策
結論から書きます。『どうしても伝わらないと思う人であれば、無理してコミュニケーションをとらないという選択もあります。』
人は自分の理解できる範囲でしか理解しません。いくら時間や労力を掛けても伝わらない相手はいます。
その人に伝える為の自分の時間価値、怒らず冷静に判断する感情の切り離し、ゴールの再確認をし、これ以上話すことは得策ではないと判断した時は、あきらめましょう。
3.「話しかけにくい人」への対応策
- これは自分が体験した内容なのですが、上司に報告しなければならない内容があったが、上司が忙しく話すタイミングが無く様子を見ていた時に、上司から「あの案件はどうなった?」と聞かれ、報告をすると「なんでそんなに報告が遅くなるんだ!」と怒られたことがあります。それを反省し、後日すぐ報告しようと声を掛けたら「今忙しい!」と怒られたこともあります。
- 皆さんの中にも、上記のようなやり取りをしたことがある方もいるかと思います。
- すぐ感情的になる人とはどう話せばよいか、ポイントは「なぜ相手が感情的になるか」です。
- 怒る理由はおそらく次の4つだと思います。
- ⇒自分の思い通りにならない。 ⇒相手に何度言ってもわからない。 ⇒相手の態度が悪い、気遣いがない。 ⇒ただ機嫌が悪い。
- 対応策として、まず避けたいのは『相手に対し、こちらも感情的に対応したり、逆にビクビクした態度をとらないこと』です。相手の感情を助長させてはいけません。
- そんな時オススメしたいのは『研究者視点』です。相手を研究対象としてとらえ、怒り出した相手に「人はなぜすぐ怒るのかを研究している脳科学者」になるのです。態度には出さないようにしましょう。
- 頭の中を研究者視点にして、目の前で起きている不快なことやネガティブなことを自分の学びに転換してみてください。
- これはクレーム対応でも応用できます。嫌なクレームをできるだけ価値のあるものとしてとらえられるようになると、マイナスな出来事もプラスに転換できるようになります。
- 作者はこれは「ポジティブ価値化」と呼んでおり、これを意識することが対策となります。
まとめ
- ④伝わる人が実践している4つの行動
- 伝え上手な人は無駄な努力をせず、相手にわかってもらうことは難しいという前提から話を始める。
- 伝わる人はやさしさを武器にしている。なかなか伝わらない時はやさしさを持って、一生懸命伝わるように話すということを忘れてはいけない。
- 「怒る」「不機嫌」「怖い」は「伝わる」の大敵なのです。『イラっときたら3秒深呼吸』をしてみると効果がある。
- 言わなくてもわかっているはずはNG。トラブルの多くは、伝えていないから始まる。
- ⑤「伝えるのが面倒な人」への対応策
- すぐ否定ばかりする人には話を広いところへもっていく。
- どうしても話が伝わらないと思う人は、無理してコミュニケーションをとらないという選択もある。
- 話しかけにくい人には、研究者視点で相手を見て、マイナスな出来事もポジティブに転換する『ポジティブ価値化』を上手く使う
ここまで読んでいただきありがとうございます。
最後に、自分なりのバナナの魅力を100文字で伝えたいと思います。
私の自宅にはバナナが常備されています。朝起きたら、バナナとプロテインと牛乳をミキサーに掛け、朝食として飲んでいます。栄養と筋肉増強の為です。とても甘く、1日の活力の源です。【86文字】
以上です。
どうも、ありがとうございました!
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